認知症高齢者の数が増加し続ける中、認知症介助士への関心が高まっています。これから受験を検討している方にとって、最も気になるのが「本当に合格できるのか」という点でしょう。
結論から述べると、認知症介助士の合格率は8~9割という高い水準を維持しており、適切な対策を行えば十分合格可能な資格です。
本記事では、認知症介助士の合格率の実情から試験内容、効率的な合格対策まで、受験に必要な情報を網羅的に解説していきます。
認知症介助士の合格率
合格率は8~9割と高水準
認知症介助士の合格率は約8~9割となっており、民間資格の中でも非常に高い数値を記録しています。
この数値は、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が公表している公式データに基づくもので、受験者の大半が合格していることを示しています。
ただし、この高い合格率に油断は禁物です。しっかりとした準備なしに合格できるわけではなく、最低限の学習時間は確保する必要があります。
他の認知症関連資格との比較
認知症に関連する他の資格と比較すると、認知症介助士の合格しやすさがよくわかります。
| 資格名 | 合格率 | 受験資格 | 難易度 | 
|---|---|---|---|
| 認知症介助士 | 8~9割 | なし | 易しい | 
| 認知症ケア専門士 | 約5割 | 実務経験3年以上 | 普通 | 
| 認知症ケア指導管理士 | 約6割 | なし | 普通 | 
この表からもわかる通り、認知症介助士は受験資格が不要でありながら最も合格率が高い資格となっています。
認知症ケアの入門資格としての位置づけが、この高い合格率につながっているといえるでしょう。
合格率が高い理由
認知症介助士の合格率が高い理由は、以下の3点に集約されます。
1. 基礎的な内容に特化 試験内容は認知症の基礎知識と基本的な対応方法に限定されており、専門的で複雑な内容は含まれていません。
2. 充実した学習支援 公式テキストや問題集、セミナーなど、合格に向けた学習環境が整備されています。
3. 適切な合格基準 30問中21点以上(約7割)という合格基準は、基本をしっかり押さえれば到達可能な水準に設定されています。
試験内容と合格基準
30問40分の選択式試験
認知症介助士の検定試験は、30問を40分で解く選択式の形式で実施されます。
出題範囲は以下の6分野から構成されています。
- 認知症介助士の基本理念
- 高齢社会の理解
- 認知症の基礎知識
- 認知症の人への介助
- 認知症の予防
- 関連法規および制度
各問題は3択または5択の選択式で、記述問題はありません。時間的にも余裕があり、見直しの時間も十分確保できるでしょう。
21点以上で合格の仕組み
合格基準は30点満点中21点以上となっており、正答率約**70%**で合格となります。
この基準は絶対評価で設定されているため、他の受験者の成績に左右されることはありません。自分の実力次第で確実に合格を勝ち取ることができます。
不合格の場合でも何度でも再受験可能で、受験回数に制限はありません。
4つの受験方法から選択可能
認知症介助士の受験方法は、ライフスタイルに合わせて4つの選択肢から選べます。
1. セミナー+試験
- 会場でのセミナー受講後、同日に試験を実施
- 費用:19,800円(テキスト込み)
2. 共育センター受験
- 東京・大阪の共育センターで受験
- 費用:3,300円
3. CBTセンター受験
- 全国のCBT試験会場でパソコン受験
- 費用:3,300円
4. インターネット受験
- 自宅からオンライン受験
- 費用:3,300円
どの受験方法を選んでも試験内容や合格基準は同じなので、自分にとって最も都合の良い方法を選択しましょう。
受験資格は一切不要
認知症介助士は年齢・学歴・経験を問わず誰でも受験可能です。
介護職未経験者はもちろん、学生や主婦、他業種で働く社会人でも受験できます。認知症の知識を身につけたい全ての人に門戸が開かれた資格といえるでしょう。
効率的な合格対策
公認テキストを中心とした学習法
認知症介助士の合格を目指すなら、公認テキストでの学習が最も効率的です。
公認テキストは約100ページの構成で、試験に出題される内容が体系的にまとめられています。価格は3,300円と手頃で、多くの合格者がこのテキスト1冊で合格を果たしています。
学習のポイントは以下の通りです。
・まずは全体を通読 認知症の全体像を把握することから始めましょう。
・重要箇所を繰り返し学習 基本理念や対応の原則など、核となる部分は何度も読み返します。
・事例や体験談も重視 テキストに掲載されている実際の事例は、試験でも出題されやすい内容です。
セミナー受講で合格率アップ
より確実な合格を目指すなら、認知症介助セミナーの受講がおすすめです。
セミナー受講者の合格率は、独学者よりもさらに高くなる傾向があります。その理由は以下の通りです。
・試験のポイントを直接解説 インストラクターが試験に出やすい箇所を重点的に説明します。
・ディスカッションで理解深化 他の受講者との議論を通じて、より深い理解が得られます。
・当日受験でモチベーション維持 セミナー直後に試験を受けることで、学習した内容が記憶に残りやすくなります。
独学でも十分合格可能な理由
セミナー受講が推奨とはいえ、独学でも十分合格は可能です。
実際に多くの受験者が独学で合格を果たしており、以下の理由から独学での合格も現実的といえます。
・出題範囲が明確 公認テキストの内容から逸脱した問題はほとんど出題されません。
・基礎的な内容が中心 専門的すぎる知識は求められず、常識的な判断で解ける問題も多くあります。
・問題集で出題傾向を把握 検定試験対策問題集(2,200円)を活用すれば、出題パターンを事前に把握できます。
試験当日の注意点とコツ
試験当日に力を発揮するための注意点をまとめておきます。
時間配分を意識する 40分で30問なので、1問あたり約1分強の計算です。わからない問題は後回しにし、確実に解ける問題から取り組みましょう。
見直しの時間を確保 選択問題では、単純なミスが命取りになります。最低でも5~10分は見直し時間を確保しておきましょう。
体調管理を万全に 特にCBTセンターやインターネット受験の場合、体調不良での延期は追加費用が発生する可能性があります。
認知症介助士は高い合格率を誇る資格ですが、それでも最低限の準備は必要です。公認テキストを中心とした学習で、確実に合格を目指しましょう。
※本記事の合格率等のデータは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構等の公式発表に基づいています。最新の試験情報については、同機構の公式サイトをご確認ください。
