「愛犬飼育スペシャリスト」とは…その実態を検証してみた

愛犬との生活をもっと充実させたいと考えている飼い主さんは多いはず。そんな方におすすめなのが愛犬飼育スペシャリストという資格です。

「本当に役立つの?」「費用に見合う価値はある?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。この記事では、愛犬飼育スペシャリストの実態から活用方法まで、客観的な視点で詳しく解説していきます。

目次

愛犬飼育スペシャリストとは

公益社団法人認定の民間資格

愛犬飼育スペシャリストは、公益社団法人日本愛玩動物協会が認定する民間資格です。この協会は40年近く動物愛護活動を行っている信頼性の高い団体。

内閣府の認定を受けた公益社団法人というステータスもあり、累計約17万人が取得している愛玩動物飼養管理士資格の運営でも知られています。

愛犬飼育スペシャリストは、そんな実績ある協会がユーキャンと連携して2016年に開始した比較的新しい資格制度というわけです。

犬の基礎知識から実践スキルまで習得

この資格で学べる内容は幅広く、犬種の特徴や犬の気持ちの理解から、実際の飼育スキルまでをカバーしています。

具体的には以下のような知識とスキルが身につきます:

学習分野主な内容
基礎知識犬種別の特徴、犬の歴史とルーツ、しぐさと気持ちの理解
日常ケア食事管理、歯磨き・シャンプー・爪切り、健康チェック
しつけ・トレーニング基本的なしつけ、問題行動の対処法、お散歩マナー
緊急時対応病気や怪我の対処、災害時の備えと対策

単なる知識だけでなく、実際に愛犬に対して適切なケアやトレーニングができるようになるところがポイントでしょうか。

ユーキャンで4ヶ月の通信学習

愛犬飼育スペシャリストの取得方法は、ユーキャンの通信講座を受講するという形になります。標準学習期間は4ヶ月ですが、最大12ヶ月まで延長可能。

教材は以下の構成になっています:

  • メインテキスト2冊(オールカラー、写真・イラスト豊富)
  • DVD教材(しつけやお手入れの実演映像)
  • 副教材(ガイドブック等)

受講料は一括払いで税込29,000円。分割払いなら月々2,980円×10回となっています。

テキストは犬を飼っている前提での内容が多いため、これから犬を飼う予定の方には少しイメージしにくい部分もあるかもしれません。

試験の特徴と合格のコツ

在宅受験でマークシート方式

愛犬飼育スペシャリストの試験は在宅で受験できるのが大きな特徴。忙しい社会人や主婦の方でも、わざわざ試験会場に出向く必要がありません。

試験形式はマークシート方式で記述問題は一切なし。筆記が苦手な方でも解答しやすい設計になっています。

試験時期は特に決まっておらず、添削課題を順次提出していき、最終の第3回添削課題が検定試験という位置づけです。

60点以上で合格、再々受験可能

合格基準は100点満点中60点以上と、比較的ハードルは低め。4割間違えても合格できる計算になります。

万が一不合格になっても心配は無用。受講期間内であれば再々試験まで、つまり合計3回まで受験可能です。

この合格率の高さと再受験制度があることで、「勉強が苦手」という方でも安心して挑戦できるでしょう。

添削課題3回で実力アップ

学習の流れは以下のようになっています:

  1. テキスト1で基礎知識を学習 → 第1回添削課題
  2. テキスト2でトレーニングを学習 → 第2回添削課題
  3. 総復習 → 第3回添削課題(検定試験)

各添削課題では、学習内容がしっかり理解できているかチェックできます。分からない点があれば、メールや郵便で講師に質問することも可能。

ただし、質問回数には制限があるため、計画的な学習が求められます。

資格活用の現実と可能性

日常の愛犬ケアが格段に向上

最も直接的な効果は、自分の愛犬に対するケアの質が向上することでしょう。これまで「なんとなく」行っていた散歩やお手入れも、正しい知識に基づいて行えるようになります。

例えば、愛犬の体調変化にいち早く気づけたり、問題行動に対して適切に対処できたりといった変化が期待できます。

特に初めて犬を飼う方にとっては、体系的な知識を身につけられるメリットは大きいはず。

ペット業界での差別化要素

ペットショップや動物病院、トリミングサロンなどで働く方にとっては、お客様へのアドバイス力向上履歴書でのアピール材料として活用できます。

ただし、この資格だけで就職が有利になるというほどの効力はありません。あくまで他の経験やスキルを補完する要素として考えるのが現実的でしょう。

地域の愛犬家コミュニティで活躍

ドッグランや愛犬家の集まりで、他の飼い主さんに適切なアドバイスができるようになります。犬友達との会話も、より深く専門的な内容になるかもしれません。

また、将来的に動物愛護活動やボランティアに参加する際にも、基礎知識があることで貢献度が高まります。

費用対効果を冷静に判断する視点

受講料29,000円という投資に対して、どの程度のリターンを期待するかは人それぞれ。「愛犬との関係をより良くしたい」という目的であれば、十分に価値のある投資といえるでしょう。

一方で、「転職に活かしたい」「副業に繋げたい」という目的の場合は、この資格だけでは物足りない可能性があります。

口コミを見ると、自分の愛犬のために取得した方の満足度は高く、仕事目的の方はやや物足りなさを感じる傾向があるようです。

愛犬飼育スペシャリストは、犬との暮らしをより豊かにするための知識とスキルを体系的に学べる資格です。完全在宅で取得でき、合格率も高いため、多くの愛犬家にとって取り組みやすい選択肢といえるでしょう。

ただし、資格を取得すること自体が目的になってしまわないよう注意が必要。愛犬との関係向上という本来の目的を見失わずに活用していくことが大切です。

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